エピソードNo.1

workKV
  • 遺品整理は心の整理。未来へ進む力に。

    ご遺族の心に寄り添い、故人の思い出を大切にしながら整理を進める「遺品整理」。
    繊細でありながら、大きな使命のある仕事です。

いつかは向き合わなければ、その日のために。

episode01

遺品整理は、遺された方々にとって感情的な負担が多い繊細な作業です。故人の思い出の品々に触れることで、悲しみや様々な葛藤と向き合いながら心の整理を進める大切なプロセスでもあります。遺品整理のプロフェッショナルである私たちは、物理的な整理を行うだけでなく、ご遺族の感情に寄り添い、心の整理をサポートする役割も求められています。
episode02

ある日、私たちの会社に、自ら命を絶った高校生の遺品整理の依頼が舞い込みました。半年以上手をつけられずにいた故人の部屋を整理する決意を固め、一歩を踏み出してご連絡をくださいました。台風が接近し荒れ模様だった作業当日、社長と私の2 名体制でご依頼主のもとへ向かいました。

部屋だけではなく、心も一緒に整理する。

episode03

六畳一間の部屋に足を踏み入れると、故人が生活していた当時のまま、趣味のプラモデルやフィギュア、学校の卒業アルバム、ノートなど、たくさんの思い出が残されていました。

立ち会ったお母様とお姉様に、まずは「どのような物を残したいか」という大まかな希望をお伺いしました。「心の区切りをつけたいので、不要なものは処分してきれいにしたい」というご希望を尊重しながら、私たちは目に見える所だけでなく、タンスや引き出しの中などすべての品物を一つひとつ確認しながら進めていきました。

 

作業中、ご遺族が無言で遺品と向き合う時間もあり、その際は心の整理が進むのをじっと待ちました。

「これっていつ書いたものだっけ?」「小学校の時じゃない?」昔の記憶を辿りながら時に涙を流し、時に笑顔で会話をする姿を見守りながら、決して急かすことなく、思い出を振り返る時間を大切にしていただきました。

 

こうして遺品を整理しながら、少しずつ心の整理が進んでいる様子が見受けられました。

「ありがとう」が、私たちの存在意義に。

episode04

遺品整理は、どれだけ時間をかけてもいいというわけではありません。決まった時間の中ですべての作業を終えなければなりませんし、残す品物が多くなってしまっても整理にはなりません。あえて大まかに分類した品物を段ボールにまとめ、「この中に必要なものはありますか?」と作業的に進めることや、処分しやすいようなお声がけ、アドバイスをすることもあります。ご遺族の様子や物量をしっかりと見極めて判断し、心の整理をしやすい状況をつくることが非常に重要なのです。

2 名で 6 時間をかけて行った遺品整理でしたが、ご遺族は整理された部屋を見て寂しそうな表情をしながらも「ありがとうございました。ここまできれいにしてくれて、本当に助かりました」と私たちに感謝の言葉をかけてくださいました。
episode05

遺された方々では手が回らない部分、心の整理がつかない部分をサポートするのが遺品整理です。お金をかけてでも、誰かに片付けてほしい。その想いに対して誠実に寄り添っていくことが、私たちの存在意義だと考えています。故人の思い出を整理することでご遺族が前に進むきっかけとなり、「ありがとう」と感謝の言葉をいただいた時には、大きなやりがいと達成感を味わえます。これからも、遺品整理を通じて心の整理をお手伝いできるよう、一つひとつの現場、それぞれの思いと向き合っていきます。