ご遺族の心に寄り添い、故人の思い出を大切にしながら整理を進める「遺品整理」。
繊細でありながら、大きな使命のある仕事です。
六畳一間の部屋に足を踏み入れると、故人が生活していた当時のまま、趣味のプラモデルやフィギュア、学校の卒業アルバム、ノートなど、たくさんの思い出が残されていました。
立ち会ったお母様とお姉様に、まずは「どのような物を残したいか」という大まかな希望をお伺いしました。「心の区切りをつけたいので、不要なものは処分してきれいにしたい」というご希望を尊重しながら、私たちは目に見える所だけでなく、タンスや引き出しの中などすべての品物を一つひとつ確認しながら進めていきました。
作業中、ご遺族が無言で遺品と向き合う時間もあり、その際は心の整理が進むのをじっと待ちました。
「これっていつ書いたものだっけ?」「小学校の時じゃない?」昔の記憶を辿りながら時に涙を流し、時に笑顔で会話をする姿を見守りながら、決して急かすことなく、思い出を振り返る時間を大切にしていただきました。
こうして遺品を整理しながら、少しずつ心の整理が進んでいる様子が見受けられました。